Martin D-35とは - アコースティックギター各部名称 –
D-35 Rosewood Model
クリアーでブリリアントな高音と、伸びやかな中低音が持ち味であるD35は、そのサウンド以上
に個性的な外観を持っています。とりわけ大きな特徴は3ピースのボディバックでしょう。
この3ピース構造は、ローズウッドのブックマッチ材を両サイドに振り分け、センターに柾目
ローズウッドを配すると言うマーティン独特のものです。3枚のローズウッド材の接着部分には
メイプル材とローズウッド材が細く3層に組み込まれ、美しい装飾とともに強度の向上が
図られています。このStyle-35がもつ見事なコンストラクションは、1965年に誕生しました。
マーティン社では1960年代まで、サイドやバック、ブリッジなどに用いるRosewood材を
ブラジル産の(いわゆるハカランダ材=ブラジリアンローズウッド)ものに限って採用していま
した。
ところがブラジル政府は、自国の産業振興のために原木の輸出禁止を実施したのです。
ギター材はすべて原木のまま調達し、長期自然乾燥の後に自社で製材することを守り抜く
マーティン社は、次第にハカランダ材を節約しなければならないという深刻な事態を迎えました。
そうした中、それまでパーツ材などに回していた幅の狭いハカランダ材を用いて、3ピース
バックのギターのプロトタイプを製作しました。こうしてD35が登場しました。
D35の発表とともに新しくマーティンギターの正式ラインアップに加わったStyle-35と言う
スペックは、3ピースバックという特徴の他にディティールにも数々の個性を持っています。
まず、ホワイト・セルのフレットエッジバインディングが施されたフィンガーボード。
これはStyle-35のもっとも大きな外観上のポイントといえるものです。
指板材はStyle-28と同じくエボニー(黒檀)が用いられていますが、Style-28がフレット
エッジまでエボニー材がむき出しなのに対して、Style-35はエボニー材の周囲に
ホワイトセルがバインディングされています。
打ち込まれるフレットは、フレットの端の部分がきれいに整えられ、セルの上に乗る、フレット
エッジバインディングと言う処理が採用されています。 また、ボディやネックヒール、ヒール
キャップのセルバインディングも、白・黒のセルがラミネートされ、
美しいディテイルを演出しています。
CF Martin Guitar Catalog より
VOLUME3 DECEMBER 1991 JAPAN
カワセ楽器店にてCatalog入手
3枚のローズウッド材の接着部分には
メイプル材とローズウッド材が細く3層に組み込まれ、美しい装飾とともに強度の向上が
図られています。
この3ピース構造は、ローズウッドのブックマッチ材を両サイドに振り分け、センターに柾目
ローズウッドを配すると言うマーティン独特のものです。
このStyle-35がもつ見事なコンストラクションは、1965年に誕生しました。
当方の D-35 1992 Sound